オルガノン株式会社
女性の健康の向上を目指す
----貴社の事業内容について教えていただけますか?
オルガノンは、女性の生涯を通じた健康の向上に注力するグローバルヘルスケア企業です。「すべての女性に、より豊かで、より健やかな毎日を。」というビジョンの下、価値ある医薬品とソリューションを提供することをミッションとしています。
不妊治療など社会課題への議論を活発化したい
貴社が今回の不妊治療の啓発イベントに協賛することになった経緯や理由について教えていただけますか?
不妊治療の一部が保険適用となって一年、妊娠を願う人たちだけでなく、少子化の影響が懸念される中で社会的にも不妊治療への関心が高まっています。
不妊治療の保険適用の結果として、経済的な負担は減りました。ただ、それで不妊治療のすべての問題が解決したということではなく、むしろ不妊治療に向き合うカップルの皆さんを「具体的にどのようにサポートしていくか」ということをより深く考えていかなければならないという段階に入ったと考えています。
6月の世界不妊啓発月間を契機に、不妊治療をテーマにしつつも、さまざまな背景の社員の健康課題に企業はどう向き合うべきか、社員の健康を守りながら持続的に企業活動を続けるためには何が必要かという社会的課題について議論することで、よりよい社会の実現を目指すべく今回のイベントに協賛することにしました。
参加者の方からのアイディアより良い環境作りに役立てたい
----このイベント協賛を通じて、貴社が目指す目標や期待する効果は何ですか?
多くの会社では、不妊治療に限らず、さまざま異なる事情を抱える社員が働いています。今回のイベント協賛を通じて、不妊治療を出発点としながらも、不妊治療を含むさまざまな健康課題や個人の事情と上手に付き合いながら、当事者も周囲の人も誰もがその人らしく活躍できる職場を実現するための制度や環境について、20代、30代といった若い世代の皆さんの視点から斬新なアイディアをいただき、それをもとにさまざまな業界の人事担当者に議論いただいたアウトカムを世の中に発信することで、多くの企業のより良い人事制度の設計や環境の向上に役立ててもらい、その先に、誰もが輝ける社会の実現を目指してまいりたいと思っています。
不妊当事者の方たちが不安に感じない環境を提供したい
----このイベントを通じて、不妊治療を必要とする人々やその家族に何を伝えたいと思っていますか?
不妊治療そのものに対する治療の選択肢は増えてきており、保険適用にともない経済的な面も緩和されてきています。不妊症・不妊治療に対する社会的な認知も少しずつ上がってきていると感じる一方で、当事者や家族の方々の不安や障壁(例:治療そのものの受け入れや家族との関係性、仕事との両立、職場の理解等)は依然として存在しています。私たちは、治療薬を提供するだけではなくて、より良い制度、環境下で不妊治療を継続して受けられる社会を創っていきたいと考えます。
最適な選択を行うためにも社会の認知や理解が重要
----不妊治療や生殖医療について理解することの重要性について、貴社はどう考えていますか?
お子さんを望む人たちが自分にとって最適な選択肢を選べるように社会の認知や理解が進んでいくことが大切と考えています。周囲の理解が進むということが、治療を望む人たちにとって治療しやすい環境が整ってくるということになります。当事者も最適な選択肢を選ぶために理解を深めることが大切ですし、当事者を取り巻く社会全体としても、不妊治療に取り組む方々の優先事項を知ってサポートするために、より理解を深めていくことが大切だと考えます。
豊かで健やかな社会のためにジェンダー平等を推進する
----貴社が製品開発やサービス改善に当たって重視していることは何ですか?
当社は、女性の健康を通じてジェンダー平等を推進し、より豊かでより健やかな社会を実現することを目指しています。その大前提として、これまでどちらかというと見過ごされ、そして白昼堂々議論されて来なかった女性の健康にスポットライトを充てて、これまでなかったような価値ある医薬品やサービスを提供することを通じて、世界の半分を占める女性が自身の健康としっかり向き合いながら活躍できる社会を創造していきたいです。
医療関係者とも議論し、不妊治療の理解を促進したい
不妊治療の認識や理解を広めるために、このイベントの他に貴社はどのような取り組みをしていますか?
プレスリリースやSNS、今回のような協賛イベントを通じて、社会に対して不妊治療に対する理解を促し、問いかけを繰り返し発信していきたい。また、当事者の方々がより安心・快適に治療をできる環境をつくるために、医療関係者の皆さんとより積極的に議論を進めていきたいとも考えています。
様々なライフイベントと仕事が両立できる働き方
----今回企画のワークショップでは「働き方」というテーマで様々なバックグラウンドを持った方たちを参加者に招いての開催でした。なぜこのようなテーマを選んだのでしょうか?
社会には色々な人がいて、多様なニーズを持っています。そういった人たちが「働きやすい」と感じる環境とはどのようなものなのか、年齢も働く環境もバラバラな人たちの意見をまとめて、アウトプットするのは非常に意義のあることだと考えています。
当社は「すべての女性に、より豊かで、より健やかな毎日を。」というビジョンを掲げています。女性はライフステージの中で出産、育児などのイベント、健康問題など様々なことが起こります。そういった中でも女性一人ひとりが活躍できる環境を作っていきたいと考えています。また、それによって社会全体が豊かになっていくことを目指したいと考えています。
女性が活躍するためにも、不妊治療を始め、いかにライフイベントと仕事を両立させるかが重要で、そこに対してどのようなサポートが必要か、企業が持つ役割は大きいのではないかと思います。
多様性を実現するユニークな休暇制度や働き方
----様々な健康課題・家庭の事情と仕事の両立という点で貴社では実際にどのような「働き方」を実践されていますか?
当社では、リモートワークや出社勤務など自身で働き方を決められる制度を取っています。大阪を拠点にしている社員や専業主婦だった方も活躍いただいていまして、社員のバックグラウンドに限らず様々な働き方を可能にしています。
また、育児休業(60営業日まで有休)、積立休暇、ディスカバリー休暇(サバティカル休暇)など休暇制度も様々あり、ベビーシッターの補助制度など仕事と家庭を両立するための試みを会社として多く取り組んでいます。
育児をしている場合、急な休みが必要な場合も多くありますが、そうなった場合でも社員同士がフォローできる体制だったり、そもそも休みが取りやすいような雰囲気を意識して作っています。
家族・職場・行政が一体となった理解促進が必要
----社会全体の不妊治療への理解を高めるために今後どのような取り組みが必要だと考えられますか?
不妊治療に取り組む当事者だけではなく、家族や職場をはじめとする周囲の人たちや行政を巻き込んで不妊・不妊治療への理解を高めるような取り組みに積極的に関わっていきたいと考えます。
人生プランニングのための選択肢を多く持つことが大事
----現在の不妊治療を受ける環境や取り組みについて何か課題に感じることはありますか?
保険適用によって不妊治療についての認知度は高くなってきたと思います。課題があるとすれば、「不妊治療のことを知ってはいるが、自分にはまだ遠い先のこと」という風な位置づけになっている方々がまだまだ多いのではないか、ということです。
仕事もキャリアも自分たちの人生を自由にプランニングできるようにすることが大事だと思います。人生に多くのライフイベントがある中で、多くの選択肢の中から自分たちに合った選択肢を取れるようにするための情報収集も同様に大事です。
「不妊」というとネガティブなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、もっと前向きな選択肢として捉えられて良いと思います。不妊治療はあくまで子供を持つための手段の一つなのです。
私たちは多様性が社会を豊かにしていくと考えていますので、各個人が色々な選択肢を取れるように推進していきたいと考えています。
みなさんの選択を応援できるようにサポート
----最後に、これから家族や子どもを持とうとされている人、あるいは不妊治療をしようとする人に対してメッセージをお願いします。
私たちはみなさんがその選択をしてよかったと思えるようなサポートを企業として行っていきたいと考えています。私たちの会社はまだ若く、規模もこれから大きくしていくという段階です。お互いの多様性を認め合うことが豊かな社会の実現につながると思いますので、私たちも一企業として皆さんを応援するリーダーシップを取っていきたいと考えています。
会社名
オルガノン株式会社
代表取締役社長
櫻井 亮太
住所
〒107-0062 東京都港区南青山1-24-3 WeWork Nogizaka