メルクバイオファーマ株式会社
Merck(メルク・本社ドイツ ダルムシュタット市)はヘルスケア、ライフサイエンス、エレクトロニクスのビジネス分野における世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業です。全世界で約63,000人の従業員が、人々の暮らしをより良くすることを目標に、より楽しく持続可能な生活の方法を生み出すことに力を注いでいます。メルクバイオファーマ株式会社は「メルク ヘルスケア・ビジネス」における、医療用医薬品事業部門の日本法人で、がんおよび不妊領域を重点領域としています。
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多様な人材が一丸となり、患者さんのために柔軟な働き方を実現
世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業の一員として、多様なバックグラウンドを持つ従業員が、互いにサポートし高め合う文化・職場環境において、メルクのパーパスである「患者さんのために一丸となって、生命の誕生、QOLの向上、命をつなぐサポートをする」の実現に向けてOne Teamとして業務に取り組んでいます。
また、ファミリーフレンドリーな社会構築を目指し、「Yellow Sphere Project(以降YSP)」という名称で「働きながら妊活・不妊治療をしたい」社員をサポートする制度を導入しているほか(※詳細は、不妊治療と仕事の両立支援への取り組みの欄に記載)、全従業員対象のフレキシブルワーク制度(MyWork@Merck)を導入し、コアタイムや働く場所の制限を設けず、妊活・子育て・介護など様々な環境にある社員が自分らしく柔軟に働けるようサポートしています。
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業界の枠を超え、ファミリーフレンドリーな社会の実現を目指して
メルクのパーパスである「患者さんのために一丸となって、生命の誕生、QOLの向上、命をつなぐサポートをする」を実践する機会ととらえました。当社は、不妊領域における医療用医薬品を製造販売する会社ですが、業界や団体の枠を超えて、より多くの人々に妊活、不妊、妊よう性について知っていただくことで、ファミリーフレンドリーな社会構築の支援につながると考えています。
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不妊治療と仕事の両立支援に取り組む意義
社会全体でファミリーフレンドリーな社会構築を支援する必要があると考えています。日本は不妊治療が保険適用になり、患者さんにとって以前より治療が受けやすい環境になってきていますが、不妊に悩むカップルは多く、少子化も依然進んでいます。また、当社が2023年7月に実施した全国20〜40代男女3万人を対象とする、第7回 「妊活/子育てに関する意識と実態調査」では、「出産・育児があっても働き続けたい」と回答した男女は約60%と高い数字を示すとともに、不妊治療経験者の42%が、妊活・不妊治療により「退職」「休職」「職場での居心地悪化」など経験したことも明らかになりました。この調査結果からも、妊娠を希望してもなかなか叶わないという社会課題に対して、社会全体で妊活や不妊治療をする人々を支援し応援することが重要であると考えています。
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ファミリーフレンドリーな社会の実現に向けた継続的な取り組み
妊活サポートの輪を広げる目的で、当社は企業同士の横連携を強化する活動に取り組んでいます。本活動には、昨年も協賛させていただきましたが、支援を継続していくことが大切であると考えたこと、「仕事と不妊治療の両立」というテーマが、当社が目指すファミリーフレンドリーな社会構築に向けた取り組みと方向性が一致することから、自然な流れのように「今年も是非協賛しよう」という意気込みとともに参画させていただきました。
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Yellow Sphere Projectという取り組み
メルクグループジャパンは、「働きながら妊活・不妊治療をしたい」という社員の声に応え、社会的な課題への解決策を講じる第一歩として、2017年に「Yellow Sphere Project(以降YSP)」という社員をサポートする制度を導入しました。制度導入のきっかけは、グループ内の医療用医薬品の製造販売を事業 とするメルクバイオファーマ株式会社の社員が、患者団体の声や助成制度 を調査する中で、働きながら不妊治療を続けることがいかに難しいかを感じ取ったことでした。
YSPは以下の3つの取り組みから構成されています。
● Yellow Support:妊活や妊娠・出産についての理解を促す教育啓発活動
全社員を対象に妊活・不妊治療についての理解を深めるセミナーを実施。毎年開催。
● Yellow Leave:不妊治療のための有給休暇制度
不妊治療を目的として、年次有給休暇とは別に月1回 取得可能(有給)。男女ともに対象。
● Yellow Point:不妊治療に対する治療費の助成
生殖補助医療(体外受精)を対象として、福利厚生サービスで使えるポイントとして20万ポイント付与(=20万円分)。男女ともに対象でマネージャーや人事部に知られずに申請可能。
1つ目のYellow Supportの全社員を対象に妊活・不妊治療についての理解を深めるセミナーについては、社員から「会社は非常に良い取組みをしている」、「YSP開始後、社内でファミリープランニングの話がしやすくなった」などの反響があり、社員のエンゲージメント向上に貢献していると考えています。
また、当社では、全従業員を対象としたフレキシブルワーク制度(MyWork@Merck)も導入しており、コアタイムや場所の制限のない自由度の高い働き方を実現し、社員一人一人の事情に合わせて柔軟に働けるよう支援しています。
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DE&Iの理念に基づく、多様な社員の活躍支援
メルクはファミリーフレンドリーな社会を目指すために、企業として、社員の多様な働き方を尊重し、社員の成長をサポートすることが重要であると考えています。また、DE&I (Diversity, Equity & Inclusion)の理念を積極的に広め、実現していく観点から、WIL(Women In Leadership)の名称で女性活躍推進にも取り組んでいます。
DE&Iに基づく女性の活躍推進、YSPやフレキシブルワーク制度(MyWork@Merck)を通じて、制度と企業カルチャーの両面で妊活・不妊治療をする社員をサポートし、社員が能力を最大限に発揮し、生き生きと活躍できるよう、一人一人が望むキャリアデザインを支援していきたいと考えています。
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パーパス実現にむけた活動
メルクのパーパスである「患者さんのために一丸となって」を実践する目的で、メルクは患者主導というアプローチを進めています。具体的な活動として、全従業員が参加できる”Get-Closer Event”という名称の、患者さんやケアする方々を講師とする講演会を定期的に実施しています。昨年も不妊治療経験者のお話をお聞きする会を開催し、本年6月も同様に予定しています。実際の治療経験者の方からお話を伺うことで、課題やその課題解決に向けて自分達のできることを考えたり、職場における理解が高まることを期待しています。
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連携の輪を広げ、社会全体でのサポート体制の構築を
妊活や不妊治療と仕事の両立はいまだに当事者のカップルにおける課題の一つです。妊活や不妊治療に取り組むカップルのまわりにいる方々の知る機会や理解を深める機会を充実させていきたいと思います。ファミリーフレンドリーな社会構築に向けて、妊活や不妊についての正しい情報を知り、皆でサポートし、応援できる社会を目指していきたいと考えています。そのためには、業界を超えた企業同士、または産官学民等の連携や結びつきが大切だと思います。各組織が強みを生かしながら連携・発信する機会を増やしていけるよう環境づくりに尽力していきたいと思います。
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DE&Iの実現を目指して
当社はDE&Iの理念のもと、妊活、出産、育児、介護など、社員の様々なライフイベントに対応する支援を充実させて、社員の成長と働きやすい職場づくりを目指していきたいと考えています。
同じ考えや思いを持つ企業同士が連携し、「ファミリーフレンドリーな社会」の構築が進むことを期待します。これからも、ぜひ同じ思いを持つ企業・団体様と連携し、一人ひとりが柔軟に働き生きていくことが可能になる社会を目指していきたいと考えています。
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社内外での活発な啓発活動と社員同士のサポート体制
当社では、社員同士が気軽に相談し合えるよう、WIL活動の一環として、社員が自由に参加できる交流会を開催し、仕事と子育てとの両立に関する意見交換、情報交換を行っています。また、2017年より毎年、中秋の名月を契機にYSPの社内啓発活動を強化し、YSPのさらなる浸透を図っています。その一環として、上述の社内の専門家が講師を務める、妊娠や妊活、ライフプランニングに関する全社員向けセミナーを開催しています。
これらのWILやYSPに関する社内の活動や、YSPのメディア・WEB掲載など社外の活動については適宜、オンラインの社内広報記事・SNS等で積極的に全社配信することで、会社全体でDE&Iの理念を積極的に広め、社員の妊活サポートや、妊活への理解促進に取り組んでいます。
患者さんの声に寄り添い、より良い環境づくりを目指す
メルクのパーパスである「患者さんのために一丸となって」を実践する目的で、メルクは患者主導というアプローチを進めています。このアプローチは、患者さんや当事者の方の声を聴いて、行動に反映していくものです。妊活するカップルの方々のチャレンジを周りにいる方々が理解し、ファミリーフレンドリーな社会構築につながるよう、努力を続きけて行きたいと思います。必要な患者さんに医薬品をお届けする企業活動に加えて、患者さんの声からニーズを知り、様々なステークホルダーの皆さんとともに、より良い環境づくりに取り組んでいきたいと考えています。