メルクバイオファーマ株式会社
サイエンスとテクノロジーの会社
----貴社の事業内容について教えていただけますか?
Merck(メルク・本社ドイツ ダルムシュタット市)はヘルスケア、ライフサイエンス、エレクトロニクスのビジネス分野における世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業です。全世界で約 60,000人の従業員が、人々の暮らしをより良くすることを目標に、より楽しく持続可能な生活の方法を生み出すことに力を注いでいます。メルクバイオファーマ株式会社は「メルク ヘルスケア・ビジネス」における、医療用医薬品事業部門の日本法人です。2007年10月1日にメルクセローノ株式会社として発足し、2019年に現在の社名であるメルクバイオファーマ株式会社に社名変更しました。がんおよび不妊領域を重点領域としています。
早い段階で自身の身体のことを知る
----不妊治療や生殖医療について理解することの重要性について、貴社はどう考えていますか?
世界の中でも日本は特に高齢化率が高く※1、引き続き少子高齢化への対応が求められています。さらに、日本においては妊娠や生殖に関する知識が不足しているといわれており、このことは、当社が、全国3万人を対象に行った調査※2で示されています。同調査では、妊娠する力=妊孕(にんよう)性の指標となる妊孕性知識尺度の平均点は 100 点満点中45.6 点(男性 39.2 点、女性 52.3 点)と、5割を切る正答率でした。
※1 内閣府令和2年版高齢社会白書
※2 メルクバイオファーマ株式会社 全国 20〜40 代男女3 万人に聞く「第4回妊活®および不妊治療に関する意識と実態調査」
妊娠に関する知識の調査結果※3から考察されることとして、早いうちから自らの身体について正しい知識を身に付ける機会が必要であり、さらには、自身が将来子どもを持つことを望む、望まないにかかわらず、自らの、そしてパートナーの身体について正しい知識を早期に身に付けておくことは、自分らしい人生を送るために望ましいことと考えます。
※3 メルクバイオファーマ株式会社 「第6回 「妊活®・不妊治療・子育て」と「仕事」の両立に関する意識と実態調査」
社会的な環境整備に役立てたい
貴社が今回の不妊治療の啓発イベントに共催することになった経緯や理由について教えていただけますか?
イベントを共催した理由は、不妊啓発月間実施の目的に賛同したためです。当社が実施した「妊活®および不妊治療に関する意識と実態調査」から、不妊治療と仕事の両立の難しさ、周囲の方々の理解促進への期待などが課題として浮き彫りになりました。「ワークショップで抽出した課題を今後の社会的な環境整備に役立てる」という目的は、当社の調査結果で浮き彫りとなった課題を解決することにもつながるとともに、今回のイベントとも方向性が一致しています。ワークショップに参加される皆さまとともに考える機会を持たせていただき、当社もさらなる解決策の検討を続けて行きたいと考えています。
同じ目的を持つ人たちの輪を広げる
----このイベント協賛を通じて、貴社が目指す目標や期待する効果は何ですか?
同じ目的を持つ組織、企業、個人が一緒に活動し、発信することで、その輪が大きくなり、さらに社会に向けたメッセージ発信が可能になるのではないか、と期待しています。
未来をつくる「YELLOW SPHERE PROJECT」活動
不妊治療の認識や理解を広めるために、このイベントの他に貴社はどのような取り組みをしていますか?
企業として製品提供にとどまらず、「YELLOW SPHERE PROJECT」(YSP)を通じて、妊娠を希望してもなかなか叶わないという“社会課題” に対して、より多くの方々に正しい情報を「伝え」、サポートの輪を「広げ」、人々の充実した暮らしという 「未来をつくる」ための活動を推進しています。
ファミリーフレンドリーな社会の実現を目指して
----社会全体の不妊治療への理解を高めるために今後どのような取り組みが必要だと考えられますか?
当社は、ファミリーフレンドリーな社会の構築を目指して、支援を続けています。妊娠、出産、そして育児、ワーク・ライフ・バランスを支援する国や地方自治体の施策に加え、職場における働き方改革や妊娠、出産、そして育児支援、妊活や不妊治療へのアクセス向上などに関する議論がより深まることを目指し、ファミリーフレンドリーな社会の実現を支援しています。さらにはこうした、子どもを産み、育てるためのより良い社会環境が整備されることで、一人一人の多様な働き方・生き方を支援するダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンへの貢献にも寄与していくことを願い、YSPの活動を通じて、サポートの輪を広げ、人々の充実した暮らしという「未来をつくる」ことへの貢献を続けたいと考えています。
ライフプランニングのしやすい環境の実現に期待
----未来の不妊治療について、貴社が見ている展望や期待を教えていただけますか?
当社の展望や期待を表す活動として、YSPがあります。YSPの根幹には、不妊治療に関わる製品の提供にとどまらず、企業として、正しい情報を伝え、妊娠・出産を組み込んだライフプランニングがしやすい環境の実現をサポートしていくという考えがあります。そして、サポートの輪を広げ、人々の充実した暮らしという「未来をつくる」ことへの貢献、つまり、ファミリーフレンドリーな社会づくりへの貢献を続けて行きます。
妊活・不妊治療は社会全体で支援すべきこと
----最後に、不妊治療を必要とする人々へのメッセージをお願いします。
当社は、様々な選択が可能な環境において、子どもを持つ、持たないに関わらず、個々の選択を尊重し合える社会の構築をサポートしていきたいと考えています。ファミリーフレンドリーな社会づくりへの貢献を目指しています。
こうした考えを世の中に浸透させていくためには、一人ひとりの意識はもちろん、多くの企業や団体も同じ方向を向き、社会への影響力を高めていくことが大切です。そして、NPO法人Fineのような団体や私たち企業が横の連携を深め、啓発活動を積極的かつ継続的に行うことは、妊活や不妊治療をする人々を社会全体で支援、応援することにつながると考えます。
会社名
メルクバイオファーマ株式会社
代表
ジェレミー・グロサス
住所
〒153-8926 東京都目黒区下目黒1-8-1アルコタワー 4F